ホンモノぽい嘘

ホンモノじゃなくて「ぽい」のが正解

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エンターテイメントの世界はほとんどがホンモノじゃなくて「ぽい」もの
つまり、偽物がほとんどだということ
けど偽物は悪いモノじゃない
偽物だけど嘘つきじゃないし悪意は全く無い
エンターテイメントの世界はホンモノじゃないぽいのが正解とされることがほとんど

「ぽい」とは…?

例えば色や光…
赤っぽい、青っぽい、明るいっぽい、暗いっぽい、など
例えば空気感…
春っぽい、冬っぽい、山っぽい、海っぽい、など
例えば物…
硬いっぽい、すべすべっぽい、汚いっぽい、冷たいっぽい、など
例えば人物…
怖いっぽい、悲しいっぽい、可愛いっぽい、怒りっぽい、など

誰に何を説明されなくてもそれを見聞きしたときに、まさにそのように感じてしまうような現象を利用して世の中に幸せや感動を届けているのがエンターテイメントであることが多い

つまりは演技

テレビドラマの中の世界はたくさんの人によって作り出された非現実の偽物
舞台の上で行われているお芝居は現実には存在しない作られた世界という偽物
ダンスや動きで「〜を表現してみました」となればそれは現実では無い偽物
悲しかったり楽しかったりする歌の世界も作られた非現実の偽物
キラキラ衣装やメイクも普段はやらないエンタメ用の偽物

色々と偽物ではあるがホンモノ「ぽい」もの
でもこの「ぽい」というのは普通の人には中々難しい作業かと思う
エンタメは「〜ぽく」「〜らしく」「〜そう」がちゃんとできる人が集まる業界というか世界

悪意のない偽物は真実に…

演技という偽物を見せられて何故、人は感動したり笑ったり泣いたり…してしまうんだろう?
偽物なのに…嘘なのに…何故?
その答えは、偽物とわかっていても嘘と分かっていても現実じゃないと分かっていても
その非現実の世界を生きて体感してしまうから、見聞きしてる人の身体が反応してしまうんだろう

そういう非現実の世界が好きで好きでたまらないのが人という生物の特性なんだと思う
だから現実のモノよりむしろ非現実の方が好きだし肯定的だし選ぶ傾向にある
ホンモノ「ぽい」非現実を用意して提供してくれるのがエンターテイメント

夢を現実にする世界エンタメ

実際には聴こえない「光の音」を作ったり
あるはずもない物語の歌詞を書いてそこに音をつけたり
真っ暗の空間に真夏の太陽の光を作ったり
楽器を弾いてるように見せたり

ボクは日頃の仕事で嘘だらけを作っているが
それを見聞きするお客さんの笑顔や涙はホンモノ

エンタメの不正解は「中途半端」

ホンモノに見えてしまう偽物はエンタメでは正解
だけれども、
ホンモノにも見えないよくわからない「中途半端」は不正解
何故かというと
「中途半端」な偽物を見せられると人はイラついたり怒ったり冷めたりするから

ボクの仕事のひとつに、そういった「中途半端」をちゃんとした偽物にみえるように指導するというものがあるのだけれども、そこで実際に指導した人がお客さんから拍手をもらっているのを見るとボクは涙がでそうになるくらい嬉しい…この感情は偽物じゃなくてホンモノ

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