ボーカルにリバーブをかける理由

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ボーカルにリバーブがかかってないモノの方が少ないくらい、今の時代の音楽にはボーカルにリバーブがかかっている。

それにはちゃんとした理由があるはず。

何故そう思うのか?理由は、この世のクリエーターの人たちのほとんどがボーカルにリバーブをかけることを選んでいるからである。皆、その理由に気がついているからである。

 

ボクは昔、まだ音楽を始めて2〜3年目くらいまでの時代、ボーカルにリバーブをかけるのは歌の下手な部分を隠す為だと思っていました。

まぁそれは一つの理由ではあるので、

正解率としたら30点くらい。◯ではなく△。

 

それから音響などの仕事をお手伝いするようになってあることに気がつきました。

そのあることというのが、今回の画像。

ボーカルの部分(ピンク)だけレイヤーを別にしてあります。

 

ボクは音を捉えるときに、色付きの物体として捉えています。

実際目には見えないが、その空間に存在しているであろうと仮定して捉えている…という感じ。

 

で、何に気がついたのかというと、あらゆる楽器の中で、声だけ群を抜いて質が良い。どんな楽器と混ざっても確実に聴こえてくる。

これってどういうことか…というと、

ギブソンが…とか、スタインウェイが…とか、ストラディバリウスが…とか…どんだけ高額でビンテージな超良い音がする楽器でも、ド音痴な人の声には敵わない…ということ。

違う視点から見ると、演奏の中で、声だけ浮いて聴こえちゃうという現象が起こる。

なので、声だけ別次元で鳴っているように聴こえちゃうんです。

だから、リバーブをかける。

 

なんのことやらさっぱり分からない人の為に解説すると

声の輪郭がハッキリしすぎちゃってるので、核は残しつつ輪郭の部分をボカしてあげる。

すると、輪郭という境界線が曖昧になるので、音として一体化して聴こえてくるようになる…声が音の中にうまく溶け込んでいるように聴こえるようになる。

声が他の楽器から仲間はずれにならない…という理由から、世のクリエーターたちはボーカルにリバーブをかけるようになった…というのが、ボクの考え。

画像を見てもらうと分かると思うのですが、左右どちらにリバーブをかけたのかが一目瞭然でしょ?

 

誰に何を聞いた…ということではないが、長年音楽をしていて必然的に気がついたことである。

気がついただけなので、他のクリエーターに改めて聞いて確かめたことはないのですが、他の人たちもきっと同じように考えていることでしょう。

 

あえて聞かない…という部分が粋ですw 粋のある日本という国に生まれて本当に良かったと、こういう時に実感しますよねw

 

そうそう、声にリバーブをかけて音楽にうまく声が溶け込んで聴こえるので、声が奇麗になったように感じるかもしれませんが

実はそれは逆で、

このリバーブをかけるという作業は、声を奇麗にするのではなく、加工して汚してしまっている行為。

つまり、声の質を落としてあげて、やっと楽器たちと馴染むレベルになる…ということ。

そのくらい声って浮いた存在なんすよね。

 

1人だけレベルが高すぎるっていうのも、目立って煙たがられて…って変な話ですが、人間社会でも同じなんですよね…

まぁだから、能ある鷹は爪を隠すんですよね…。

2件のコメント

  1. 初めまして。
    ネットやSNSでこのような書き込みをするのは滅多にありませんので、失礼なことをしていないか少し心配です。だいたいにして、このページがブログなのかなんなのかも分からないでメッセージを送っております。

    さて、最近バンドでボーカルをやることになり、たまたまエコーについて調べていたら、貴殿の文章に遭遇しました。一読、とても好感が持てる書きっぷりでした。そして内容も素晴らしい。あちこち調べて逆に良く分からなくなっていたことが氷解するように頭に入ってきました。イメージで伝えるって大切ですね。出来る人は少ないだろうけど。

    金澤さんがどんな人か知らずに書いています。調べようかと思いましたが、やめました。
    何か通じる人がここにもいたって感じられただけで今日のところは幸せな気分になっておきます。
    だから、こんなこと書き送ることにしているのだと思うのですが・・^^; ありがとうございました。

  2. 嬉しいコメントありがとうございます
    解らなかったことが解るようになって良かったです♪
    音の世界は目に見えないので大変ですよね(;^ω^)
    けどそこがまた楽しい部分でもあるのですが…
    だからこそイメージってとても大切♪
    バンドボーカル頑張って下さい!

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